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WITH COVID-19

今後の展示会のあり方は?

アフターコロナ状況下での展⽰会開催では、
コロナ対策だけでなく、出展者の「出展成果」が確実に出る展示会構築が重要となります。

今後の展示会(商談会)は、現状の経済の悪化により「より参加しやすく、より結果が出る」ことが求められます。これまでの展示会形式(リアル展示会)では出展コストが原因で出展を断念していた企業も多かった可能性があります。コロナ禍の現在、経済立て直しのため「展示会に出展する」という手法は、「より早く結果が出る=早く立て直せる」という観点から多くの企業にとって有効な手段である、と言えます。そして、その場合、多くの企業が「参加しやすいもの」であることが必要。その意味で、従来のリアル展示会だけでなく、様々な型式での展示会開催は今後重要になってくると考えられます。

ポイント-1/結果が早く出る展示会(商談会)は「経済再建の重要な手段」となり得る。
ポイント-2/今後の展示会は「より参加しやすく、より結果が出る」ことが重要。
ポイント-3/本展示会は展示会の3つのフェーズを提案し、より多くの企業を参加しやすくする。

REAL EXHIBITION/PHASE-3

「リアル展示会」開催手法の検討

SUPER PENGUIN株式会社 代表取締役/[PHASE]プロデューサー
竹村 尚久

 
7月末より、リアルの展示会も再開される動きが出てきました。東京でも9月から徐々に再開の動きが始まっています。そのような中でこれまでの展示会(リアル展示会=PHASE-3)はどのように変化していけばいいのでしょうか。現在開催されている展示会を観察すると、明らかに来場者は減っており、出展者も展示会によってキャンセルが多くなっているものが見受けられます。しかし、来場者が減っていることについては悲観的なことばかりではないようです。会場を観察していると、来場者は最終日に向かって少なくなる傾向にあるようです。その意味するところは、意識の低い「会場をとりあえず見に来る」来場者が減っている、と捉えられるのではないでしょうか。それは、逆にこの状況下でも会場に来る来場者は何らかの「明確な目的を持って」来場していると考えることができると思います。
このような状況下では、展示会主催者の努力と工夫がかなり試されることになります。「出展者の出展結果を必ず出すこと。」そのためには、主催者による徹底的な来場者誘致はもちろんですが、出展社と来場者のマッチングや出展者同士のマッチングも積極的にあるべきだと思います。またオンライン展示会(PHASE-1)の併用と活用もこれからは積極的に必要でしょう。展示会のデザインを行う身としては会場設計にも特別な工夫がこれからは必要だと考えています。例えば、通路の幅の設定。日本展示会協会の開催ガイドラインによると会場の通路幅は3.0m以上となっています。コロナ対策として通路幅を広げるのは良いのですが、「ブースに立ち寄るための来場者心理」の観点から通路幅を考えると、通路幅を広げすぎると、来場者がブースに立ち寄らなくなるのです。通路の中央から各ブースの入口まで。幅5mだと、2.5mの距離を自社ブースに呼び寄せるためには、かなりレベルの高いブースデザイン能力が求められます。また、来場者の通路を強制する「強制動線」も慎重に考える必要があります。来場者が少ない中で強制動線を作ると、来場者は必ず一方向から順番に歩いてきます。結果を必ず出したい出展者は、ブースの前にこぞって立ち尽くし、待ち構えるようになるのです。そうすると「つかまりたくない」と考える来場者は、足早に通路を歩くことになります。私が個人的に有効だと感じることは、来場者が少ない場合、強制動線より、会場内に「滞留」する仕組みを設けることだと考えています。休憩コーナーなどを許される範囲で設置し、より長い時間を会場内で過ごしていただく工夫。そうすることで、多くの出展者に多くの商談の機会を持っていただくことに繋がります。
通路幅の戦略的な決定と滞留の考え方。この2つはコロナ状況下で開催される展示会を「成功させる」手法の一つとして大切な要素になってくるのでは、と考えています。

CASE STUDY

展示会ブースのコロナ対策例/スーパーペンギン

ここでは、WITHコロナ時代の展示会における展示会ブースの考え方の事例を掲載します。今後のリアル展示会に出展することを考えた際に、ブースにどのような工夫を施せばいいのでしょうか。多くの方が悩まれていることと思います。ここでは、7月末に関西ホテレスで実際にスーパーペンギンがデザインしたブースの事例を基に解説を行いたいと思います。
最近開催されている展示会を訪れた方がいらっしゃれば同意していただけると思いますが、実際に会場に行って出展者の方々がどんなブースを作っているかというと、実は「これまで通り」の普通のブースです。何社が受付カウンターにアクリルのシールドを設置している程度でしょうか。スーパーペンギンでは、7月末に開催された関西ホテレスより、コロナ対策のブースを検討し続け、最近では以下の2つの方針が大切、と考えるようになりました。
 

1.出展者自身の対策|うつさない工夫・うつされない工夫
2.来場者に「安心感」を与える|まず来場者に安心してもらうこと

自社のブースにどこまでコロナ対策を施せばいいのか。これを考えるときりがないことでしょう。基本的に最近の展示会では、どの主催者さんも会場入口でかなりしっかりとした検査をされています。ですので、会場内にいる方は「基本的には」まずは安心と思ってよいかと思います。しかし当然心配なのは自覚症状のない潜在感染者。「いない」とは言い切れないので何らかの対策は取らなければいけません。そのための基本的な指針として、上記の2つが有効だと言えます。まずは自社のスタッフが感染しないように自社ブースの定期的な除菌・清掃。不要な接触の回避、自社ブース内での換気など。これらの観点から、スーパーペンギンでは以下(下記の事例写真)のような工夫を施したブースにしてみました。
この内容で「実際に結果はどうだったのか」というエビデンスを取ったわけではありません。しかし、来場者の方々に「この出展者はしっかりとコロナ対策を施している」と感じていただくことで、安心して立ち寄っていただく、といった効果はある、と感じましたし、このことは今後の対策を考える上で大事なのではないかと思います。(文・スーパーペンギン竹村)

対面を避けるレイアウト

カテゴリー毎に分け、一つのカテゴリーに1人ずつ

対面になる場所にはオーガンジー(防炎)を設置

各展示台には説明動画を配置

ブース内の換気をするためにサーキュレーターを設置

ブース内での人数を減らすためにオンライン商談も活用